国立劇場大劇場では、
中村橋之助が初役で「髪結新三」(かみゆい・しんざ)を上演します。
橋之助が新三初役ならば、
錦之助も初役、国生も初役。
その意気込みを
以下の会見でうかがい知ることができます。
奇しくも、
急逝した三津五郎に習ったという「髪結新三」。
2013年、八月納涼歌舞伎で観た三津五郎の新三は、
単にチンピラ的な威勢の良さだけでなく、くぐもったようなダークな面が覗いて、
「帳場を捨てれば五分と五分」と、
思いのたけを本音でぶちまけるくだりは
江戸の裏町に生きる者の憤懣とやるせなさが心に迫りました。
きっと橋之助も、
キップのいい新三を見せてくれるのではないでしょうか。
手下の勝奴には息子の国生。
もうそんな役をやるようになったのですね。
勝奴を演じながら、身近に新三を学ぶ。
勝奴とは、そういう役でもあります。
進境著しい児太郎が新三に誘拐されるお熊。
「ザ・交渉人」としてお熊救出に乗り込むも、
新三に顔をつぶされてしまう弥太五郎親分は錦之助。
どちらかというと二枚目で線が細い役の多い錦之助が
太い役をどうこなすか、期待です。
ほかに「三人形(みつにんぎょう)」。
若衆に錦之助、傾城が児太郎、国生が奴の役での舞踊です。
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