今月の歌舞伎のご案内です。
歌舞伎座では昼の部が
・「双蝶々曲輪日記~新清水浮無瀬の場」
・「紅葉狩」
・「競伊勢物語(だてくらべ・いせものがたり)」の3本、
夜の部は
「伽羅先代萩」の通しです。
昼は半世紀ぶりの上演となる「競伊勢物語」が注目の的。
新聞などで吉右衛門さんが上演にかける情熱を語っています。
「紅葉狩」は染五郎・金太郎親子の共演。
「双蝶々曲輪日記」は先月上方歌舞伎会で上演した「堀江角力場」や「引窓」が有名で、
「新清水浮無瀬の場」は昨年、国立劇場で通しで演じたときは出ましたが、
単独で演じられることはあまりないのではないでしょうか。
発端となるこの場、「角力場」の与五郎と「引窓」の南与兵衛・都が出てくるので、
一度見ておくと、「角力場」での与五郎、「引窓」のお早(源氏名・都)の立場がよくわかります。
夜は通しで「伽羅先代萩」
見るべきシーンがたくさんある狂言なので、通しで見るとなおさら面白さが募ります。
伊達藩のお家騒動をもとにしたお話しなので「先代」は「仙台」のモジリです。
序盤は若い藩主が暗殺されようとするところ、
中盤「竹の間」「御殿」は藩主の子である鶴千代を護ろうとする乳母・政岡と政敵が繰り広げる
「女の闘い」です。
政岡は坂東玉三郎、立役(男役)が演じるのがお約束の悪役・八汐は中村歌六です。
「御殿」では、「飯炊(ままたき)」といって、
舞台上でご飯を炊くのをお米をとぐところから、手順にそって全部見せるのを
やるバージョンとやらないバージョンがあります。
今回は玉三郎ですし、上演時間から見てやるバージョンだと推測。
「床下」は、うってかわって男ばかりのシーン。
吉右衛門の仁木弾正、松緑の男之助。ネズミくんも出てきます。花道に注目。
京都・南座では新作歌舞伎「あらしのよるに」。
お子さんのいらっしゃる方にはなじみのある、同名の絵本が原作です。
中村獅童を中心に、若手で臨むnew kabuki。
制作にあたっては、新作といっても手法は本来の歌舞伎のもので、と
がんばっているようです。
各地を巡業する西コース松竹歌舞伎は
四代目中村鴈治郎襲名公演。
歌舞伎座昼の部でやる「双蝶々曲輪日記」のクライマックス「引窓」を
鴈治郎の南与兵衛で。
ほかに扇雀・虎之介親子で「連獅子」。
虎之介くんは病気のため8月の納涼歌舞伎を降板していましたが、復帰できてほっとしました。
今月は赤坂ACTシアターで中村屋の「赤坂歌舞伎」も。
演目は勘九郎の「操三番叟」と七之助の「お染七役」。
どちらも観ていて飽きない、楽しさがあるので、ビギナーには超オススメです。
各公演の詳細については「歌舞伎美人(かぶきびと)」を参考にしてください。
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