ビギナー向け歌舞伎Q&A

Q9.「女形」と「女方」どっちが正しい?

歌舞伎は、男性だけが演じるのが原則です。
女性の役も男性が演じ、女性の役をやる俳優を「おんながた」といいます。

本日のギモン:「女形」と「女方」どっちが正しい?

一般的には「女形」という漢字を使うのをよく目にしますが、歌舞伎役者の皆さんは、必ず「女方」を使います。
「〜方(かた)」というのは、「〜というジャンルの役」「役どころ」という意味で、「女方」の他に「道化方」などがあります。能楽では子役のことを「子方(こかた)」と言いますが、その「方」に通じるのではないでしょうか。

本日のお答え:「女方」を使うことをおすすめします。

「女形」という言い方も広まっていますので、誤り、というほどではないと思いますが、女方さんは女方を演じるにあたって「女性の形をなぞっているだけではない」というプライドもあるでしょうから、ぜひ「女方」という表現を使っていただきたいと思います。
また、主役級で女方も立役(たちやく=男性の役)も演じる俳優を「兼ねる役者」と言い、一つの特技として称えられます。逆に、立役を一切やらない女方の俳優を、真女方(まおんながた)と言い、こちらも女方一筋で芸を追求する姿に敬意が集まります。

本日のまとめ:

1.歌舞伎俳優は「女方」という表記を好む。
2.「〜方(かた)」とは、「〜という役どころ」という意味。
3.女方だけを追求する人を「真女方(まおんながた)と言う。

 

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