女性の視点で読み直す歌舞伎⑯
「心中天網島」
~こんな男になぜ惚れる? おさんと小春~
近松門左衛門の最高傑作と言われる「心中天網島」。
今月歌舞伎座の中村鴈治郎襲名披露公演夜の部で上演されている「河庄(かわしょう)」は、
その上の巻、発端の部分にあたります。
「心中天網島」を
上の巻「河庄」=治兵衛の物語
中の巻「紙屋内」=おさんの物語
下の巻「道行名残の橋づくし」=小春の物語
と位置付けて、3人それぞれの心理に新たな視点で迫りました。
また、
「河庄」と同じく玩辞楼(がんじろう)十二曲(中村鴈治郎の得意演目)に名を連ねている
「天網島時雨炬燵(てんのあみじま・しぐれのこたつ)」にも言及しました。
これは近松の「心中天網島」初演から数えて約半世紀後に、
近松半二が「心中紙屋治兵衛」として改作した際、
「紙屋内」のラストシーンを大幅に変更してできあがったもので、
「河庄」と同じく、単体で(見取り狂言)上演されます。
原作である近松門左衛門の「心中天網島」と
改作された近松半二の「心中紙屋治兵衛」との比較から見えてくる
時代を超越した近松の慧眼に驚愕です。
・GINZA楽・学倶楽部
2014年4月10日(金)13:30~15:30
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