私のミッション

【エンタメ水先案内人】として

私は「ライター」として活動を始めましたが、「講師」としての登壇を開始したのを機に、「ライター」と「講師」を融合した肩書きとして「エンタメ水先案内人」を名乗り始めました。(正確には2015年5月から)。
でも、ジャンルや和洋新旧を問わず、幅広くエンタメ作品を見続けてきた私は、そう名乗る前から、すでにエンタメ作品の魅力を皆様にご紹介するナビゲーター(水先案内人)であったと自負しています。

なぜ「エンタメ」にこだわるのか。
フィクションだからこそ、本当のことが言える、真実を描ける。そのことに気づいたから。

映像作品は言うに及ばず、舞台芸術ならバレエ・ミュージカルからストレートプレイまで、なんでも大好き人間の私。その私が一周まわって「これが一番すごいんじゃない?」と確信したのが、歌舞伎です。
日本が世界に誇るエンターテインメント「歌舞伎」「文楽」が、この先1000年も2000年も生き残るよう、一人でも多くの日本人に観てもらい、感じてもらい、好きになってもらいたい。

 そのために、リアル講座やYouTube、そして文章を通じ、ビギナーにも理解できるように現代に生きる人間との共通点、今も昔も変わらない気持ちなどにフォーカスして、作品解説や、みどころ紹介、役者さんたちの至芸や修練について伝えていきます。

【文章シェルパ】として

私は感性と論理性の両方を備えた文章を紡ぎ出すべく、ライティング講座や文章の添削、書籍出版の編集サポートをしています。
多くの文章の添削指導をする過程で、自分の添削の基本は「起承転結」の流れを文章に作ることであり、それは、あたかもシェルパ(山岳案内人)が高い山の頂上(クライマックス)まで道案内をし、無事に下山(読了)させるような文章を作ることだと気づきました。以来、「文章シェルパ」の肩書きを使用しています。(2020年から)

大切にしているのは、日本語の持つ品格を大切にすること。わかりやすい文章を書くためには、かなり前から学校でしっかり教えなくなった「文法」も、本当はとても大切なものなのです。
 書くだけでなく、先人たちの遺してくれた質の高い文学作品を読む力も衰え気味な昨今。私の活動が、人々のコミュニケーションをよりスムーズにし、お互いの理解を深めることにつながるとともに、「日本語」と「日本語文化」を後世へと伝える一助となることを、信じています。

文章とは「思い」の結晶。凝縮されて未来に残る。

人間は、思ったことの10%が話し言葉になり、話した言葉の10%が文章になるといいます。つまり文章とは、たった1%に凝縮された「思い」の結晶。
情熱を持って生み出され、かつ推敲を重ねて磨かれた文章、それも品格ある日本語で練り上げられた文章は、時空を超えて未来に残る。そう、「源氏物語」のように!「万葉集」のように!

【1000年以上の歴史がある日本語文化を大切に】
今、世界中で「日本語はステキ!」と思ってくださる外国の方々が増えています。英語さえ話せれば世界中どこでも暮らせる21世紀において、たった1億人しかいない日本人が使う、世にも難解な日本語なのに。
漢字・カタカナ・ひらがながあり、漢字の読み方には何通りもあり、外国語も全部カタカナで取り込んでしまう恐るべき適応力。豊かな語彙、何通りもある敬語、七五調の心地よさ、「恋バナ」「銀ブラ」「ふてほど」なんでも省略しちゃう創意工夫。これらには、1000年以上連綿と続いてきた、日本語の歴史があります。
万葉集の昔から、私たちには日本語文化がつながっている。「源氏物語」は1000年前に女性が書いた大長編。今でも読み継がれています。印刷の技術がない時代に全54帖約100万字、400字詰めの原稿用紙に換算すると2,400枚になるという超大作を、皆が書き写して伝えてくれました。
私たちは、もっと日本語を大切にするべきです。言葉は世につれ変わっていくもの。変わっていくものと、変わらないものとが一緒に存在することが、日本語の豊かさを支えてくれているのです。Jポップの歌詞が世界で評価されているのは、皆の中に自然と身についた、日本語の歴史の積み重ねがあるからなのです。

【近松門左衛門を知っていますか?】
文学史などでは「日本のシェイクスピア」などと一文で片付けられている近松門左衛門。私は歌舞伎に出会って、近松門左衛門の存在を知りました。違うんです。シェイクスピアの方が「イギリスの近松門左衛門」なんですよ。絶対に近松のほうがすごいんだから!
……そうは言っても、ほとんどの日本人にとっては、近松よりもシェイクスピアのほうが親近感がある。私もかつてはそうだった。でもこれ、おかしくないですか?
日本が世界に誇る文化「歌舞伎」「文楽」を芸術の域にまで引き上げた立役者は、とにかく近松門左衛門なのです。彼の作品、ちっとも難しくない! 今も昔も変わらない世の中の理不尽に、彼は真正面から筆を走らせます。男社会の中で苦しむ女性たちの涙も、社会的弱者の苦しさも、犯罪被害者の叫びも、彼は1700年代にすでに書いている。それも、美しい日本語で! そこに気づいてほしいのです。
日本人は、もっと近松を知るべきだし、味わうべき! だからこそ、私は拙著「恋と歌舞伎と女の事情」をはじめ、講座や動画でも近松作品を積極的に取り上げています。もっともっと近松の作品に触れ、その偉大さを実感してほしいです。

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