第二回「金閣寺」読書会を開催しました

10月30日(日)に、「金閣寺」を読む会の第二回を開催しました。

第二章まで読んでくることが課題でしたが、最後まで読んでくださった方もいらして、
この読書会に参加したことが「難しい」と思っていた三島由紀夫の作品に触れるきっかけになったことをまずうれしく感じました。

今回の読書会、ポイントは3つ。

1つ目は「有為子」のエピソード。

これ、何なのというくらい唐突だし、感情移入しにくいところがあるんですが、
なぜ主人公が彼女に惹かれたかというところが、けっこう重要なんです。そこから主人公の性格をひもとくこともできたと思います。有為子はこの先もまた登場しますが、ここでは大変唐突に終わります。そのことが何を意味するのかにも触れていきました。

2つ目は「金閣寺」に本当に出会うこと。

まだ見ぬ金閣寺を美しいと思っていた時と、実際に観たときの感情と、その後に「想像」と「実際」が統合された時との変化。
参加してくれた人たちは、ここをしっかりと理解してくれていました。
同時に、彼が「金閣寺」をどう描写したかに注目も集まりました。「鳳凰」が「永遠性」を表している、というあたりを挙げている人も多かったです。

3つ目が「父の死」。

故郷での弔いの記述には、本当に舌を巻きます。市川崑の映画「炎上」でも、ここは原作を丁寧になぞっています。
そして最後の一行がまた、「何か」を読者の心に残していきます。

再読して改めて発見したこと

私は、今回再読した部分で再発見したのは、「そらす」効果です。視界も、音も、主人公には一瞬無関係になるのです。周囲の音が、聞こえたり聞こえなかったりする。それは、主人公が何か他のことを見ていたり考えていたりするためです。
映像にすれば、こんなふうに描かれるのではないか? それを三島は、文章で表現している。「聞こえなかった」とか「見えなかった」とは一行も書いていないけれど、主人公の感覚で読み進むことができるところが、作家としての才能だと思いました。

次回は11月18日(金)19時から。

初めて夜に開催します。今からでも遅くない! 

第四章まで読んできてくださればうれしいですが、何も予備知識がなくても、その場で何かを得られること間違いなしです。

ご興味のある方は、2回目からでもぜひご参加ください。

info@nakanomari.netまでご連絡ください。
LINEに登録している方は、そちらからお知らせいただいてもかまいません。

月200円、年払いだと割引で2,000円です。
じっくりと三島の世界を探検していきましょう。

 

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